「受託開発」と呼ばないことから始まる
Sun&R.Lab の BizDev 事業観は、業界の伝統的な「発注者-受注者」の関係性を意図的に超えていく試みです。なぜそうするのか、そしてそれが Sun&R.Lab の経営思想全体とどう繋がっているのか。本記事は、その考え方を率直に共有するノートです。
Sun&R.Lab には3つの事業があります。Maison Brand 事業 (ノンアル飲料の自社プロダクト — 商品ブランドは NEIGE & THÉ)、Non-Alcohol Agency 事業 (飲食・宿泊事業者への伴走支援)、そして本記事で語る BizDev 事業 (新規事業伴走・受託開発)。
このうち BizDev 事業は、表面的には「受託開発」と呼ばれる業態に最も近い領域です。電力・物流業界向けのシステム開発、スタートアップの新規事業立ち上げ伴走、ラグジュアリーブランドの事業設計、AI・メタバース領域のプロジェクトマネジメント。これらは外形的には「受託」のかたちをとります。
けれど、Sun&R.Lab はこれを「受託開発事業」とは呼ばず、「BizDev (Business Development) 事業」と呼んでいます。本記事では、この呼称の違いに込めた経営哲学を共有します。
受託開発と BizDev — 構造的な違い
伝統的な受託開発では、発注側と受注側の関係は以下のように整理されます。
- 発注側が要件を定義し、契約書に記す
- 受注側がその要件通りに開発し、納品する
- 納品物の対価として、契約された報酬が支払われる
- 関係はその案件の完了で終わる (継続契約に進む場合もある)
これは効率的な分業構造ですが、両者が同じ「事業の成功」を共有していない という構造的弱点を持ちます。受注側にとっての成功は「要件通りの納品」。発注側にとっての成功は「事業としての成果」。この二つはしばしば一致しません。要件が不完全なまま開発が進み、納品物が事業に貢献しない、という事態がしばしば起きます。
BizDev のかたちでは、この構造を変えます。
- 発注側 (実質的にはパートナー) と Sun&R.Lab が、事業の目的・KPIを共有する
- 要件は固定ではなく、市場との対話のなかで継続的に進化する
- 開発・運用・PR・データ分析など、事業を成立させるすべての領域が一気通貫で扱われる
- 関係は中長期的に継続し、事業の成功とともに両者が共に成長する
これは Eric Ries が『The Lean Startup』で説いた、MVP (Minimum Viable Product) と顧客開発の連続サイクルに近い思想です。Steve Blank の顧客開発モデル、Henry Chesbrough の Open Innovation 概念とも連続的です。Sun&R.Lab は、これら経営学の知見を実装する形で BizDev 事業を運営しています。
Sun&R.Lab BizDev がカバーできる領域 — 代表のキャリアで培った4つのジャンル
Sun&R.Lab は 2026年に設立されたばかりの組織です。BizDev 事業として「Sun&R.Lab 名義での実績」がこれから積み上がっていく途上にあるなかで、対外的な信頼の土台になっているのは、代表がこれまでのキャリアのなかで関わってきた業界知見と経験です。本セクションでは、Sun&R.Lab BizDev 事業がカバーできる領域として、代表が前職時代から積み上げてきた経験ジャンルを共有します。
1. 業界特化型システム開発 (電力・物流)
電力業界では、発電量予測・需要量予測・JEPX 入札支援・顧客管理 / 請求管理 / スイッチングといった基幹業務領域での開発に関わってきました。電力広域的運営推進機関の運営構造に対応した、規制環境への深い理解が前提となる領域です。
物流業界では、商品情報管理システム、企業間EDI連携、越境ECサイトのUI設計、新物流システム構築コンサルなど、業務効率化と新規事業設計の両軸での経験を積んできました。これらは Sun&R.Lab BizDev 事業として、今後の支援活動に持ち込んでいける土台知見です。
2. 新規事業開発 (0→1 インキュベーション)
スタートアップや既存企業の新規事業立ち上げにおいて、アイデア創出・事業計画策定・資金調達・組織組成までを伴走する経験を、代表のキャリアのなかで重ねてきました。これは単一スキルではなく、戦略・財務・組織論・実装力を統合する領域です。
過去に関わってきた領域には、ラグジュアリーブランド事業の立ち上げ (一部のミシュラン星付きレストランへの商品導入を含むケースの伴走経験)、コワーキングスペース事業のリリース、ドローン事業のサービス設計と開発チーム組成などがあります。これらの経験は代表個人として積んできたものであり、Sun&R.Lab という新しい組織では、その学びを次の共創パートナーの皆様に注いでいきたいと考えています。
3. 事業開発支援 (デザイン × エンジニアリング統合)
サービス設計から UI/UX デザイン、システム実装、インフラ構築までを一気通貫で見られる視座は、代表の前職経験のなかで磨かれてきました。たとえば太陽光発電の監視・需給予測システム領域では、IoT システム企画から開発、社員トレーニングまでを含めた包括的な伴走に関与した経験があります (具体的な数値・案件詳細はクライアントとの守秘義務範囲内のため明示は控えますが、人的コスト効率化と事業売上創出に貢献した経験として、Sun&R.Lab BizDev 事業の引き出しの一つになっています)。
4. グローバル展開・PR戦略
マーケティング戦略立案、PR活動、海外展開のビジネス開発という領域でも経験があります。AI ソリューションや海外向けモバイルゲーム領域では、中東向け BizDev 戦略策定や AI ソリューション開発に関与した経験。Roblox プラットフォーム上での IP コンテンツ事業 (クリエイティブ制作・SNS運用・動画制作・IPコラボ) では、メタバース領域における事業開発・マーケティング施策に関わった経験。これらも Sun&R.Lab BizDev 事業の今後の支援活動に持ち込んでいける土台です。
なぜ Sun&R.Lab は、この領域で機能するのか
「Sun&R.Lab は飲料事業の会社ではないのか」と問われることがあります。確かに対外的には NEIGE & THÉ (Maison Brand 事業) が前面に出ます。けれど、私は BizDev 事業を「Sun&R.Lab の本業の一つ」として位置づけています。理由は、Sun&R.Lab の経営思想 — テロワール — が、BizDev 事業にも貫かれているからです。
ノンアル飲料におけるテロワールが「土壌・気候・地形・人の介入」であるように、BizDev 事業におけるテロワールは「業界規制環境・技術スタック・顧客文脈・関わる人々の哲学」です。電力業界の規制環境を読み解かずに発電量予測システムは作れず、物流業界の現場文化を理解せずに EDI 連携は設計できず、ラグジュアリーブランドの世界観に共鳴せずに新規事業は立ち上げられません。
つまり、Sun&R.Lab がノンアル飲料の現場で繰り返し問うてきた「土地と人の物語をどう一杯に宿らせるか」という問いは、BizDev 事業でも同じく「業界と人の文脈をどう事業に宿らせるか」として現れます。問いの形式が同じだから、私たちは飲料事業と BizDev 事業を同じ会社で並列運営できます。
「経営思想を異業種に展開する事業体」として
Sun&R.Lab は、単一プロダクト企業ではありません。「テロワールという経営思想を異業種に展開する事業体」として、自分たちを位置づけています。
この位置づけの利点は、異業種知見の相互照射 にあります。BizDev 事業で電力業界の需給予測システムを作る経験は、Maison Brand 事業の在庫管理・出荷予測の精度を高めます。Agency 事業で店舗のオペレーション設計をする経験は、BizDev 事業のラグジュアリーブランド立ち上げに活きます。Maison Brand 事業のテロワール物語の言語化技法は、BizDev 事業のスタートアップピッチ資料の構築に役立ちます。
3事業並列であることが、それぞれの事業の品質を引き上げる。これが Sun&R.Lab の組織設計の妙です。
契約形態 — 業務委託・JV・コンサルの使い分け
BizDev 事業の契約形態について、Sun&R.Lab がどのように使い分けているかを補足します。
業務委託
最も一般的な形態。Sun&R.Lab がパートナー企業の事業領域に対し、特定スキル (システム開発・新規事業計画・PR 戦略等) を継続的に提供します。月次フィー or 成果報酬の組み合わせで、両者にとって持続可能な経済構造を作ります。
Joint Venture (JV)
リスクとリターンを両者でシェアする構造。Sun&R.Lab が技術・ブランド・ノウハウを持ち寄り、パートナー企業が市場・顧客基盤・流通網を持ち寄る。一定の期間、共同で事業を運営し、一定の成果を達成したら整理する形です。これは長期的な事業価値の創造には特に有効ですが、互いに高い信頼関係を必要とするため、案件は厳選しています。
コンサルティング (時間ベース)
短期的な戦略策定や、特定論点の深掘り支援に適した形態。新規事業のコンセプト検証、業界規制の影響分析、技術スタック選定、PR 戦略レビューなど、明確な成果物が定義できる課題に対して提供します。
スポット・ワークショップ
数日から1-2週間の短期集中プロジェクト。経営者ミーティングに同席して論点を整理する、開発チームと数日合宿してロードマップを作る、PR 戦略ワークショップで方向性を決定する、など。即効性のある介入が必要な状況で活用されます。
これら4つの契約形態を、案件の性質・リスク・期間に応じて使い分けます。一律の単価表ではなく、課題の構造に合わせた最適な関係性を設計します。
ご相談を、いつでもお待ちしています
新規事業の立ち上げに伴走できるパートナーをお探しの企業様、業界特化型システム開発の知見を必要とされる企業様、ラグジュアリーブランド領域での事業設計を相談したい方々。Sun&R.Lab BizDev 事業へのご相談、いつでもお受けしています。
最初の対話は、形式的な提案書のやり取りではなく、課題の構造的な整理から始まります。「何を作るか」よりも先に、「なぜ作るか」「誰のために作るか」「どんな成功を目指すか」を共有する場を、まずご一緒したいと考えています。
Sun&R.Lab が BizDev 事業で目指しているのは、長期的に共に成長できるパートナー関係 です。一回限りの受託開発ではなく、貴社の事業の成長と共に、Sun&R.Lab も成長していく。そんな関係を、ゆっくりと、確実に積み上げていきたいと考えています。
業界・領域を問わず、「事業を本気で立ち上げたい」「技術と経営の両軸で議論できる相手が欲しい」「外部の専門性を継続的に注入したい」といった声に、Sun&R.Lab はお応えしていきます。受託開発ではなく BizDev というかたちで関わる相手として、ぜひ Sun&R.Lab をご検討ください。最初のご相談は対話から。形式的な提案書ではなく、共に課題の構造を整理する場から、関係性を築いていきましょう。
私たちが BizDev 事業で大切にしているのは、貴社の事業の成功が、結果として Sun&R.Lab の成長にもつながるという、利害が同じ方向を向いた構造です。コンサルティングの時間料金を稼ぐことが目的なのではなく、貴社の事業が立ち上がり、世の中に届き、関わる方々全員に豊かさが循環する瞬間を、一緒に作ることが目的です。だから、Sun&R.Lab は貴社の意思決定に対して率直なフィードバックを提供しますし、必要に応じて「やめる」という助言もします。耳触りの良い受託パートナーではなく、共に厳しい意思決定を担う共同制作者でありたいと考えています。
異業種知見の相互照射が起こる組織として、私たちは「飲料事業の現場で得た学び」を BizDev 事業に持ち込みますし、逆もまた然りです。電力業界で磨いた需給予測の論理が、NEIGE & THÉ の在庫設計を変える。ラグジュアリーブランドの世界観構築が、地域自治体の観光企画に活きる。この相互照射の往復こそが、Sun&R.Lab を Sun&R.Lab たらしめている設計です。BizDev 事業にお声がけくださる皆様にも、その往復のなかで生まれる気づきを、一緒に楽しんでいただけたらうれしく思います。
Sun&R.Lab LLC. — BizDev 事業 お問合せ窓口: sun.r.lab@gmail.com
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出典
- · Henry Chesbrough『Open Innovation: The New Imperative』2003
- · 経済産業省『DXレポート』および『未来の教室』ビジョン
- · Eric Ries『The Lean Startup』(MVP・実証実験の方法論)
- · 電力広域的運営推進機関『需給調整市場の運営状況』(電力業界実績の文脈)
- · Roblox Corporation 公式ドキュメント (メタバースIP事業の文脈)
- · Steve Blank『The Four Steps to the Epiphany』(顧客開発モデル)
